世界に名だたる「名画」と称される絵画が点在しておりますが、皆さんは名画と呼ばれる作品に対してどのようなアプローチをなさっておりますでしょうか。10代の頃、名画と称される西洋絵画が都内の美術館にやってきたことを知った筆者は、両親に頼み込みチケットを入手し会館前から一人長打の列に並びやっとあの夢にまで見た名画に会えるのだと思った瞬間、額縁に入った名画を美術館の混雑の中でたった数秒眺めることが何よりも価値があることなのかと愕然とした出来事がありました。有名な絵画が美術館にやってきたとしても人気のあまり人々が集まり過ぎて、まるで満員電車の中からほんのかすかに名画の片鱗をチラ見する程度で終わってしまうことがほとんどであります。大学生になってから学芸員をめざし、思いっきり世界の名画を鑑賞できるポジションに上り詰めようと心に決めましたが、周囲の友人たちの一般企業への就活への意気ごみに押され、私自身も一般企業に勤めるサラリーマンとして現在は楽しい人生を満喫することとなりました。何不自由なく充実した日々を過ごしていたある日、またあの名画が日本にやってくることを知らされた瞬間、あの10代の熱い思いが込み上げてくるようになりました。名画をじっくりゆったりとした時間の中で鑑賞したいという欲望が溢れる感情とともに沸きはじめたのです。